地域で学んだこと
田中先生:二人ともボランティア活動をしてるよね。何か得たこと、学んだことはある?
Sさん :私は話しかける勇気が大切だと感じました。最近は自分から主催者に指示を受けに行きます。ボランティア活動は大学で学んだことを地域に活かせるし、実践をとおして知識や技術が定着します。ボランティアの募集はグローカルセンターに紹介してもらっています。
Yさん :私は話す速度や声の高さ、目線の高さなど、少しの気遣いで相手が話しやすくなるのを実感しました。
田中先生:地域志向基礎実習の感想を聞かせて?
Yさん :最初は緊張しましたが、地域の方々にさまざまな話を聞かせていただきました。地域の繋がりが健康に重要だと感じておられました。
Sさん :2年生の病院実習で患者さんに話を聞くとき、地域の方にインタビューした1年次での実習を活かせました。
田中先生:地域で暮らしている人た ちに出会って、その後病院などを見て、また在宅に帰る。いろんな人たちが地域に住んでいるのを実習で体験してほしい。
土居先生:ボランティアでの個人的な 勉強と、地域志向科目など大学の課題とが、「看護」に向かって統合されていくのを感じます。3、4年生になるとより広い視野で考えられるようになると思います。
地域活動の楽しさは?
Sさん :人と話せること、新しいことを学べるのが嬉しい。新しい視点が得られ、知識や考え方が広がっていきます。
Yさん:私も人と話すのが一番楽しい。私は精神看護に興味があるのですが、ボランティア体験がそういう自分に気づかせてくれました。
土居先生:Sさんは3年生まで同じ ペースでボランティアに参加できた?
Sさん :1年生の時は紹介されるままに行きましたが、2年生では自分が行きたいものを選べるようになりました。ただ、3年生になって課題が増えたので、かなり数が減りました。
田中先生:リアル。本当に3年生はそうだと思う。4年生になったらまた行けるようになるよ。
地域活動する上で要望は?
Sさん :レポートなどで評価してもらえたらありがたいです。自分の中の整理にもなります。日ごろは行き先のチラシを保存したり、現場で写真を撮って活動記録を残しています。
Yさん :私はパソコンに学んだことやありのままの気持ちを書いています。
田中先生:どこに行って何を学んだか、手軽に記録できる仕組みがあるといいね。あとで振り返ったら成長が見える。学生が施設やイベントについて事前に調べるような仕掛けもしたい。ボランティア体験がより深まるでしょ。
土居先生:どちらも気軽にできるようにしたいね。
「見守りの和※」の感想は?
土居先生:赤瓦周辺で「見守りの和※」を始めて、1年以上たちました。Sさんは最初から参加してくれてたね。
Sさん :はじめは野菜を売ることに必死でしたが、いまは地域の方に話しかけることを最も意識しています。初対面の方も声をかけてくださり認知度の高まりを感じます。観光客にも倉吉の魅力として伝わっていると思います。
Yさん :参加はまだ1度だけですが、話をするついでに野菜を買ってくれる感じで、常連さんもいて、必要とされている存在だと感じました。たくさんの人と話して、それを自分の今後に繋げたいと思います。
田中先生:野菜の周りでコミュニティができるでしょ。それを目の前で見られるって、すごく面白い。いつも会う人が留守だったら心配したり、見守っている実感がある。
Sさん :販売も声かけもほとんど学生に任せてくださるので、とてもやりがいがあります。
田中先生:仕入れやスタッフ手配も学 生ができるようになってくれるのが私たちの野望(笑)。
土居先生:この活動が縦に横に広がり、学生たちの自立した活動になることを願っています。ボランティアも参加する立場から、自分たちで企画して、人を集めて動かしてくれるようになってほしいと期待しています。
※鳥取看護大学では、地域の見守りを兼ねて、鳥取短期大学の学生たちと協力して倉吉市内で野 菜の移動販売を行う「みんなでつくろう 見守りの和」という取り組みを行っています。