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[学長通信vol.6] 古くて新しい学習理論 ~ともに育つ実践教育~

2019年8月9日、本学の実習教育会議において、「ともに学び、ともに育つ実践教育」と題した講演を行った。根底にある学習理論は、状況主義による教育である。私がこの理論に出会ったのは、2000年頃で、その発信元日本看護協会が示す「継続教育の基準ver.1」の中でである。成人である学生や看護師などを対象としたこれからの教育においては、これまでとは違って、学習者の経験や自己決定性を活かした教育方法でなければならないと知った。‘目から鱗が落ちる’の感であった。
すなわち、大人の学習者が‘育つ’ためには、子どもの教育ペダゴジー(教師主導型)ではなく、大人の教育アンドラゴジー(学習者自律型)でなければならいとする論である。そのためには、日々のリフレクション(省察)が必要とされ、その機会の場の設定は欠かせない。その場での内容は、看護ケアについての対話・語り・記述などが考えられるが、ありのままに感じ・考えたことが表出できる保証がなければ意味が半減する。
実践教育における指導者に求められることは、学習者が抱える課題に関心を寄せ、傾聴と発問を繰り返す技である。学習者の内面は、判りづらいのが常であるが、相手の気づきのタイミングを見抜き、学習者の背中を押す感じで、発問をすることに尽きる。上手くタイミングがあえば、ともに育つ実感が得られるということになる。教育の本質は、メイヤロフの言うケアの本質と同じである。
この理論を約20年前に知ったが、2019年8月26日の週刊医学界新聞(第3335号)にも「成人教育学を看護に生かす」と題して紹介されている。この紙面を読みながら、古くて新しい理論であるとともに、浸透しにくい我が国の事情があると感じた。検討を加えながら、徐々にでも乗り越えていきたいものである。
鳥取看護大学
学長 近田 敬子
(2019年9月17日掲載)

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