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[近田学長通信vol.3] 年賀寄付金配分による車がやってきた

△日本郵便年賀寄付金配分による車両贈呈式
△日本郵便年賀寄付金配分による車両贈呈式

以下のような経緯で、令和元年7月17日に日本郵便株式会社から車両を寄贈していただいた。年賀寄付金配分による贈呈式に臨みながら、今後への期待が秘められていると感じた。さかのぼって、日本郵便株式会社と鳥取看護大学、および「まちの保健室」との関連を記しておきたい。
どなたの推薦を受けていたかの記憶はないが、私は平成27年から郵政事業有識者懇談会の委員を担うことになった。郵政事業に疎い人間であり、保健医療福祉とどのようなかかわりがあるかも分からないまま、懇談会に出席することになった。どちらかと言えば会議をとおして、民営化以降の郵政事業について理解する機会を頂戴した感じである。その中で、中国支社エリアにおける地域的な取り組みに関心を寄せた。さらに職業柄からか、遠く離れて暮らす家族をつなぐための「郵便局のみまもりサービス」に注目した。それは、《みまもり訪問サービス》《みまもり電話サービス》《駆けつけサービス》などである。家族にとっては、安否確認や健康状態の情報が一番の関心ごとに違いない。そして、人さまと会話して元気でいてほしいという思いが込められているとうかがった。とても貴重な取り組みであると思うとともに、他に郵便局のネットワークを活用した取り組みはないものかと考えていた。
ある時、ソーシアル・キャピタル( Social capital:人々の間の協調的な行動を促す)という概念を思い出した。郵便局を軸にして、隣近所のみなさまはお互いさまであるという関係のなかで、顔見知りの人びとと交流して、何らかの地縁的な活動に参加する場を創出できないものかと考え、それらしいことを会議の席で発言したと思う。私の頭の中では、日本流の「絆」をイメージした地縁的な活動、イコール「まちの保健室」を念頭に置いていた。何回かのやりとりの後、平成30年鳥取県・鳥取県看護協会・郵便局との協同で、郵便局内での「まちの保健室」が開催された。具体的な活動のためには、さまざまな測定器具やその道具を運ぶ車両も必要となってくるが、当初は借り集めでしのいでいたようだ。
タイミング良く、本学も災害復興を絡めた「まちの保健室」を継続していくために、年賀寄付金配分の特別枠(災害による被災者の救助・予防《復興》などの助成)に応募し、運よく採択され、本学には車両の贈呈となった。車がやってきたという感覚ではあるが、本来は住民のみなさまの寄付金による贈呈である。多岐にわたる活動の仕方に思いを馳せながら、趣旨を踏まえて大事に使わせていただきたい。
鳥取看護大学
学長 近田 敬子
(2019年8月5日掲載)

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